NBA現役最強TOP7 ⑤ケビン・デュラント
『Mr.unstoppable』
ケビン・デュラント
(ブルックリン・ネッツ)
ポジション:スモールフォワード
(写真はサンダー時代のもの)
【主な受賞歴】
2×NBAチャンピオン:2017, 2018
2×NBAファイナルMVP:2017, 2018
4×得点王: 2010-2012, 2014
など。
2度の優勝と同時にファイナルのMVPにも輝いている。しかし彼の偉大さを語る時には避けては通れない道がある。
彼は現役で最も強い選手の一人であると同時に最も嫌われている選手でもあるのだ。
デュラントはシアトル・スーパーソニックス(2008年〜はオクラホマシティ・サンダー)にドラフトされ、サンダーのエースとしてチームを牽引。
2009-2010シーズンには最年少で得点王も受賞し、2014年には4度目の得点王に輝くという圧倒的なスコアリング能力を見せている。
個人としての評価は申し分なく、当時から現役最強はレブロンかデュラントかという立ち位置まで登り詰めていた。
しかしそんな彼にもどうしても勝てない敵がいた。
先日紹介したステフィン・カリー擁するゴールデンステイト・ウォリアーズである。
2015-2016シーズンも怒涛の勢いでウエスタンカンファレンスのファイナルまで進出。
西の代表をかけた相手はあの例のウォリアーズ。
ウォリアーズの2015年のシーズンといえば前年に優勝し、シーズン73勝という大記録を打ち立てた伝説的な年。
サンダーはウォリアーズを4戦先取であと1勝まで追い込んだものの、そこからまさかの3連敗を喫し、屈辱の敗退となった。
その年のシーズンオフ、サンダーもといデュラントはウォリアーズに勝つためにどのような補強を行うのか、全世界の注目の的だった。
しかしデュラントはなんとそのライバルのウォリアーズに移籍するという決断を下してしまった。
彼にとって優勝リングとはライバルと競って勝ち取るものではなく、そのものが価値のあるものだったのであろう。
ウォリアーズはスタメン5人の内4人がオールスター選手というとんでもないドリームチームを完成させ(しかもその内2人は現役でも三本の指に入ると言われていた選手)、2017年、2018年と2連覇を達成した。
アキレス腱断裂という大怪我を負いファイナルの途中で離脱した2019年を除き、彼の加入したウォリアーズは事実上敵無しとなったのだ。
リーグバランスを大きく崩した戦犯としてデュラントはサンダーファンはおろか全NBAファンから中傷の的となった。
「裏切り者」、「勝てればなんでもいいのか」
、「お前のせいでNBAが面白くなくなった」…。
もちろんルールは全く破っていないし、彼がどんなキャリアを思い描くかは自由なのだが、この移籍をきっかけに彼は大きく人格としての評価を落とした。
(この事件をきっかけにスタープレイヤーは元のチーム残るメリットが大きくなるようなルールが出来た)
【プレイスタイル】
208cmの長身からは想像の出来ないほどのハンドリングスキルを併せ持ち、ディフェンスは彼の細かいフェイクに対応し切れない。
また彼は腕が非常に長く、ウィングスパン(両手の先から先までの長さ)が225cmとNBA界でもトップクラス。
その高さから放たれるシュートはブロックのしようがない。
またその確率も非常に正確で3ポイントの%はキャリア平均38.1%(35%でシューターと呼ばれる)、更に40%を超える年もある。
ただのジャンプシュートすら彼が放つと誰にも止められない必殺技へと昇華されるのだ。
【1on1最強!?】
デュラントは歴代でも屈指のスコアラー(点取り屋)で、1対1の勝負では負けるビジョンが見えない。
ディフェンダーからすると自分より大きな相手が自分より素早く動き、高精度のシュートを決めてくる。悪夢でしかない。
スキルとサイズを兼ね合わせた無敵のオフェンス力は1on1最強との呼び声も高い。
攻撃力で対抗し得る可能性があるのは②でご紹介したジェームズ・ハーデンくらいであろう。
NBAファンの期待に応えて1on1のトーナメントを開催してはくれまいか。
デュラントはその中でもかなり目立っている。
彼は先述した昨期のアキレス腱断裂により、今シーズンブルックリン・ネッツに移籍してからはまだ1試合も出場していない。
今期は全休と見て間違いないだろう。
来期以降新天地にてどのような活躍を見せてくれるだろうか。
個人的には数ある批判も吹き飛ばすほどの圧倒的な実力を見せつけてくれることを期待している。