五月の蚊

僕は君を許さないよ。

 

 

TUBEと同じ時期に現れ、同じ時期に消えていく憎き存在。

最近暑くなってきたとは思っていたがこんなにも早く相見えるとは思っていなかった。

 

窓を開けて換気をしたまま寝るのはいつものことだが、どうやらいつの間にか網戸が少し開いていたようだ。

やつは夜中に現れた。

 

 

夜が更けそろそろ就寝の時間。

電気を消して床に着く。

 

耳元に聞こえる不快音。

ブゥーン。

蚊。

蚊の羽音だ。

 

びくぅっ!と跳ねるように飛び起き電気をつけ、殺意をギンギンに放ちながら部屋をうろうろする。

いない。

 

電気を消して再び床に着く。

ブゥーン。

蚊。

びくぅっ!

電気パチ、殺意ギンギン。

いない。

 

 

というのを数回繰り返した。

奴らは急に電気を付けると上手にどこかに隠れやがる。

体温、匂い、二酸化炭素を検知し蚊は寄ってくるらしい。

そして布団に入っていると外気に触れているのが自ずと顔だけになるので、羽音に恐怖することになるのだ。

 

 

 

蚊の羽音を人間は本能で嫌がる。

ナメック星人が口笛の音を嫌うように、人間は蚊の音が不快に感じるよう遺伝子に刻まれているらしい。

それは今ほど医療が発達していない時代に蚊を媒介として様々な病に人類が苦しめられたから。

 

そう考えるとより蚊が怖く感じてきた。

どこかで聞いた話だが、人類を殺してきた生物ランキング1位が蚊らしい。

なんというおぞましい生物。

遠い先祖の仇、憎悪の対象でしかない。

 

ところで2位はなにかご存知だろうか?

2位は人間だそうだ。

こえぇよ。

 

とにかく僕は君を許さないもう許さないもう許さないから。

https://youtu.be/hoyOjMIunkM