沙悟浄 おめぇ浮いてっぞ

西遊記といえば孫悟空沙悟浄猪八戒の三匹の妖怪を引き連れた三蔵法師が天竺を目指す物語。

実はこの中に一人だから仲間外れがいることにお気づきだろうか?

 

 

沙悟浄である。

 

それぞれ孫悟空は猿、猪八戒は豚とそれぞれモチーフの動物がいる。

 

でも沙悟浄、お前河童の妖怪って…。

初めから妖怪やん…。

フィクションオブフィクションやん…。

 

 

ということで気になって調べたところ衝撃の事実が発覚した。

 

 

実は原作の西遊記では沙悟浄は河童じゃなかったのだ。

 

本場中国では沙悟浄は元々「捲簾大将(けんれんたいしょう)」という天界の役人だった。

神である天帝に仕えていたが、ある日天帝の宝物である水晶を落として割ってしまい、天界を追放された。

地上にて三蔵法師に出会い、沙悟浄を名乗るようになった。

つまり本当の設定は沙悟浄は妖怪ではなく人間なのだ。

 

ちなみに猪八戒はセクハラをして天界を追われたがセクハラと、ちょっとミスってガラス割ったのが同じ罪なのは沙悟浄が気の毒だ。

 

 

 

 

 

そもそも河童は日本の妖怪で海外には存在しないし、日本に西遊記が入ってきた時に何者かが設定を書き替えたと思われる。

 

どうやら昭和初期のあたりから沙悟浄=河童が出来上がってきたようだ。

 

 

 

 

 

しかしキャラクターをウリにする物語としてこれは良い改変だったように思う。

人間二人・妖怪二匹より人間一人・妖怪三匹の方が桃太郎といった馴染み深い日本の物語に構図が近く綺麗だ。

またこれはだいぶ後の話だが、ドラマ化された時には三蔵法師は女優の夏目雅子さんが演じ、紅一点となっている。

そうなるといよいよ三蔵法師を際立たせるためにも沙悟浄は人外であった方が良い気がする。

初めて沙悟浄を河童にした人にはそういった商業的見地があったのかと思うと天晴れである。

 

 

ただこの意見も単純に日本版西遊記に見慣れてしまっているだけなのかもしれない。

日本の漫画が実写化した際に映画用に色々と組み替えられるのに批判が殺到するように、

原作が好きな人からすると勝手に沙悟浄が河童扱いされるのは納得いかないだろう。

というか原作改変して成功した漫画が思いつかない。

 

 

結論!

日本版西遊記は原作改変して成功した唯一の作品。