パピコという言葉は何故こうも我々を魅了するのか
「パピコ」
この3文字を初めて耳にした時、何か初恋のような衝撃にあったことは記憶に新しい。
今回は私とパピコの関係について述べる。
まずパピコとは…
江崎グリコが1974年から発売しているチューブ型氷菓の商標である。2つに分けて食べることが出来るのが特徴で、1番人気なのはチョココーヒー味だ。美味しい。
パピコとの出会いは小学校の時、テレビのCMだった。
松浦亜弥が「チューチューチュブリラチュブリララー」と歌いながらパピコを吸っていたのを鮮明に覚えている。
私は初めて「パピコ」という言葉を聞いたその日から耳から離れなかった。
なんという良い響き。
語感の良さ。
連呼したくなる言いやすさ。
破裂音をリズムに変換し、なんとも小気味の良い感覚を生んでいる。
ちなみにこの「パピコ」という文字列に特に意味はなく、歯切れの良い明るいイメージからつけられたそうな。
グリコさん、あんた天才ですかい?
学校でも家でも公園でもタイミングを問わず何かと「パピコやなー」とぼやいていた。グリコからお金貰ってもいいくらい言っていたと思う。
パピコが私の中でどれほど大きな存在であったかがわかるエピソードがある。
中学の技術の授業で「パワーポイントで発表してみよう」というのがあった。
皆自分の趣味や部活について書いていた。
私のテーマは「ぱぴっこについて」だった。
ぱぴっことは
・パピコをこよなく愛する
・パピコを週5は食う
・パピコを友にシェアする器の大きさを持つ
・パピリストともいう
・パピリアンともいう
などと定義し、妄想を発表していた。
パワーポイントの最後は大量のパピコが画面を埋め尽くすという狂気の締め方だった。
我ながらこんな内容をよく真面目な授業で発表したと思う。
この頃から既に周りと違うことをしたいという松坂のひねくれた性格が完成されていたのだ。
そして何より私はこの中学時代まではパピコを食べたことがなかったのだ。
にも関わらず意気揚々とぱぴっこについて発表するだなんて稀代の悪である。
当時生徒会を務めていたほど真面目だった少年松坂は買い食いすることも滅多になく、コンビニに寄るという発想があまりなかったのだ。
パピコとの物理的な出会いは高校に入ってから。
なんの変哲もない夏の日だった。
学校の帰り道なんの気なしにファミリーマートに寄る。
吸い込まれるように手に取ったパピコ。
味は一番人気のチョココーヒー。
今まで名前だけ散々使ってごめんな。
罪滅ぼしのつもりで購入した。味への期待はあまり無い。購入すること自体に意味がある
そう思っていた。
生憎シェアする友は横にいない。
贅沢にも半分に割った両方を左右の手から口に突っ込んだ。
滑らかで舌触りの良いラクトアイスが流れ込んでくる。
チョコの甘味が前面に出ているがそこで微かなコーヒーの苦味がしつこ過ぎない効果をもたらす。美味い…。
ぐーっと勢いよく押し出したはずなのに溢れにくい容器の形状。
全てに惚れ込んだ瞬間。
「パピコ…美味いやん!」
恥ずかしげも無く大声で叫んだ夏の日の夕方であった。
それからというものゲームのアカウントを作る時は必ず「ぱぴっこ」(英語表記だとpapicco)
メールアドレスにはmossamossapapico(もっさもっさぱぴこ)というダサすぎる言葉を入れた。
ちなみにこのメールアドレスは今ラジオでリポート先のお店の人とやり取りする時にも使っていて、めちゃくちゃ恥ずかしい為後悔しているのは内緒である。
あとこのブログのIDであるpapiconoco。
これはpapiccoが既に誰かに使われていてやむなく選んだpapiccoの派生語である。
パピコ…その響きだけで人を寄せ付け、その味を知って興味は恍惚へ変わる
言えば楽しい気持ちになれる魔法の言葉「パピコ」。
皆さんもその言葉を口にして、実際に口にしてご賞味してはいかが?