好きな話(わ) HUNTER✖️HUNTER 第199話「光と影」

週刊少年ジャンプを小学校の頃から愛読してきた私松坂がお送りする好きな話(わ)シリーズ。

第一回は冨樫義博先生の描く超緻密能力バトルの金字塔『HUNTER✖️HUNTER』のあまりにも有名すぎるこの話をお届けしよう。

 

 

舞台は他文明的には未開の地である自然国家NGL。

主人公ゴンは自らがハンターを目指すきっかけとなった憧れのベテランハンター・カイトと、親友であるキルアとともに人喰い蟻「キメラ=アント」の調査を行なっていた。

 

f:id:papiconoco:20200504033727p:image

右からゴン、カイト、キルア。

 

キメラ=アントの女王蟻は他の生き物を食べることにより、その生物の特徴を引き継いだより強力な子供を産んでその勢力を広げていた。

数ある生物の中で栄養価の高さ、美味しさから女王が特に好んで食べたのが人間の肉であった。

とある国では蟻たちの支配が進み、女王蟻はどんどん屈強な兵士達を出産していった。

f:id:papiconoco:20200504032227p:image

 

 

そんな中でも女王直属の護衛軍の3体の強さは比類なきものであり、その中の一人ピトーは人間の知恵を盗み更なる強さの境地に足を踏み入れる。

f:id:papiconoco:20200504032627p:image

 

 

生まれもっての天才であるピトーがゴン達侵入者に気がつくのはほんの刹那の出来事だった。

自らの実力を測るため、ピトーはゴン達に襲い掛かる。

f:id:papiconoco:20200504034109p:image

 

 

ピトーの圧倒的力と殺意を遠くから感じ取ったカイトはゴンとキルアの指令を告げる。

カイト曰くピトーは「化け物」。

数々の死線をくぐってきたカイトですら絶対に敵わないと瞬時に悟るような相手がすぐそこに来る…!!

カイトはゴンとキルアにこの場をすぐに離れるよう命令する。

f:id:papiconoco:20200504034114p:image

 

数キロはあろうである距離を一瞬で詰め、死神のような殺意を携えるピトー強襲。

カイトは自分を置いてゴン達にとにかく逃げるよう強調する。

f:id:papiconoco:20200504033727p:image

 

 

ゴンは反射的に反撃しようとするものの、事態を冷静に見たキルアが静止し、なんとか逃げ切った二人。

しかしもちろんカイトはその場に取り残したままだった。

カイトは二人を逃す為、自ら時間稼ぎを買ってでる。

 

 

十分に距離をとった後カイトを見殺しにしてしまったという自責の念に駆られたキルアを、カイトとは長い付き合いであるゴンが慰める。

 

f:id:papiconoco:20200504035027j:image

 

「カイトは生きてる!」

主人公らしいあまりにも真っ直ぐな眼差し。

 

「カイトはあんなやつには絶対負けないから、傷付いたカイトを助ける為強くなってからもう一度この事件に挑もう」

 

そう語るゴンの自分自信満々かつ何かやってくれそう感は半端なく、キルアもそれに乗って二人の授業の日々が始まる…!!

カイトを助ける為に!!

 

 

 

 

 

 

そこでこの話のラスト、衝撃の一コマがこちら。

f:id:papiconoco:20200504035544j:image

 

主人公が瞳を輝かせながら語った「カイトは生きてる!」という希望のセリフを一瞬にして否定するカイトの生首。

あまりにも残酷な現実。

カイトとピトーの戦闘描写は一切無く、ただ単にカイトの完敗、そして死という結果のみを読者に知らせるという誰も予想出来なかった展開。

 

 

 

 

 

 

方陣営の強キャラが敵幹部にポジションに敗北するという流れ自体はよくあれど、ここまであっさりと負けることは滅多に無いだろう。

しかもカイトは作中屈指の人気キャラであり、さらにゴンの目標でもある人物だ。

まさかそんな重要キャラが一コマもしない内に生首だけになるなんて想像できた読者は数少ないだろう。

 

 

 

 

そしてこの話はキメラ=アント編の超序盤の話である。

味方側のエース格の人物が殺害されるというあまりにも絶望的な幕開け、それがキメラ=アント編である。

物語が進むにつれ更に絶望するポイントは数多く出てくるのだが、唐突過ぎる展開とそのショッキング度合いから今回はこの話をピックアップした。

 

 

 

多くの人がトラウマとして挙げると同時に、名作としても挙げるHUNTER✖️HUNTER キメラ=アント編。

この機会に是非ご一読あれ。