ただしキリンてめーはダメだ
バク
夢を食べると言われている奇蹄目バク科(バクか、Taipiridae)の構成種の総称である。
なんでこいつは夢を食べるなんていうスピリチュアルな設定が与えられているのだろうか。
それを紐解くためには名前の由来を知る必要がある。
これは中国の空想上の生物「獏(バク)」である。
獏は人の悪夢を食う、鼻はゾウ、目はサイ、尾はウシ、脚はトラに似た幻獣である。
そして悪夢を食われた人は二度とその悪夢を見ることがない。見た目に反して割といい子なのね。
後に動物のバクが見つかった時に、この獏にそっくりだった為この名が名付けられたのだ。
これは納得のいく話だ。
確かにバクと獏は模写したと言ってもいいほどそっくりである。
(古代中国にはバクが生息していたことも確認されており、順序が逆だったという説もある)
では次にこいつ。
ご存知キリンだ。
まごうことなきキリン。
次にこいつ。
そう中国神話の伝説上の霊獣、麒麟だ。
牛のような尾と馬のような蹄を持ち、頭の上に角が一本、体毛は五色に輝いている聖獣。
キリンの由来もこの麒麟に似ているから、だそうだが流石に全く似ていない。
キリンの一番の特徴である首は、麒麟は至って普通だし、柄や周りの装飾など全く似つかない。
実際にこの首の長い生物がなぜ麒麟と呼ばれるようになったかはソマリア語の発音に由来するという説もあるのだがどうやら信憑性は怪しいらしく、こじつけである可能性も高い。
そして中国でも現在はキリンのことを麒麟とは表記しないそうだ。
じゃあキリン…お前は一体なんなんや…。
名前だけが一人歩き、誰かに言われる気持ち悪い。
悲しい生物キリン、そんな未来に幸あれ。