方言だと思っていなかった方言

「なびる」という言葉を聞いたことはあるだろうか?

 

擦り付けるとか何かの表面に塗り付けるみたいな意味である。

 

 

 

 

先日何気なく「なびる」という言葉を使ったらカーナビとかのナビをイメージされて、全く意味が通じなかった。

 

 

調べてみたところどうやら「なびる」は関東、主に北関東の方言であることが発覚した。

 

【参考】

https://j-town.net/tokyo/research/results/291605.html?p=all

 

 

 

私は大阪生まれ西宮育ち仲良い奴は大体友達でお馴染みであり生粋の関西人だが、母親が栃木出身なのだ。

その影響で幼い頃から当然のように「なびる」

を使っていて今まで標準語だと勘違いしていた。

三つ子の魂百までということわざがあるが、教育の過程で当たり前ににあったものは疑いもなく自分の中での常識になる。

よく24まで気づかなかったものだ。

 

 

 

 

 

思い返してみれば高校の時にも同じようなことがあった。

 

ある日の休み時間。

ヤンチャなクラスメイトA君が蒸しパンをちぎり、居眠り中のクラスメイトB君のメガネに擦り付けた(なびった)。

 

B君はしばらくしてメガネに蒸しパンが付いているのに気づき

「え、何かこぞろみたいなん付いてる」

と言った。

 

 

それを各々の机で見守っていた男子一同は

「こぞろ?」

と頭の上にクエスチョンマークを浮かべたが、そこでチャイムが鳴り授業が始まってしまった。

 

こぞろが気になり過ぎて授業中も上の空だったが、私の中では恐らく「そぼろ」と聞き間違えたのであろうという結論に至った。

 

 

 

次の休み時間本人に確認したところやはり「こぞろ」と言っていたようで、何かの食べかすとかくずみたいな意味らしい。

B君も親の影響で、本来関係のない徳島弁(阿波弁)を当然のように使っていたのだ。

 

 

 

B君がいじられキャラだったこともあり、この「こぞろ事件」をきっかけに彼は「こぞろ」と呼ばれるようになった。

 

カスみたいな意味だと考えるとあまりにも辛辣なあだ名である。

そして何より親御さんからすると自分のせいで息子がまさかカス呼ばわりされるだなんてむごすぎる。

 

 

 

 

 

方言を知るからこそ、標準語がわかる。

時には標準語を使わなくてはならない今の立場だからこそ改めて教訓として胸に刻んでおきたい。