急がば回れ
何故か幼い頃からわからない言葉があると紙の辞書をひく癖がついていた。
特にこれといったきっかけはなかったと思うが、今考えると良い習慣だったと思う。
電子辞書という物が世に出てからもその習慣は続いた。
それはひとえに電子辞書を待っていなかったというのもあるが、紙でひくのが好きだったのは事実だ。
紙で辞書をひくと、否が応でもお目当ての単語の前後の単語も目に入ってくる。
前後どころかページをめくる過程で知らない単語にもたくさん出会う。
途中ですれ違った単語が気になってそっちを調べて、その途中でまたすれ違った別の単語を調べて…と繰り返して初めに調べようとしていた単語を忘れてしまうこともあった。
能動的に調べる中でも受動的な出会いがそこにはあった。
出会いは偶然である方が興味を持てる。
雑多な知識を持とうと思うと自分が知りたいと思ったものだけでは足りない。
紙の辞書は良いこと尽くめだ。
しかし今となってはスマホでなんでもすぐに答えに辿り着けてしまう。
電子辞書すら必要ない。
正解に辿り着くまでの過程で学ぶことも多い為少残念に思いつつも、私自身その便利さに慣れてしまったら中々紙の辞書をひこうという気にもならない。
もう一度ワクワクしながら辞書をひいていたあの頃に戻ってみたいと思う今日この頃だ。