言葉の裏側
先日ふと入った飲食店のトイレに貼ってあった張り紙に書いてあった言葉。
「いつもトイレを綺麗にご利用いただきありがとうございます」
この店を訪れたのは初めてだし、お礼を言われるのは筋違いだ。
しかしこの何気ない一文にも実はある工夫がなされている。
この「いつも」というフレーズに「普段からこのトイレは綺麗に使われている」という意味が集約されている。」
そこから「自分もこのトイレを綺麗に使わなくてはならない」と使命感を植え付けることができる。
同じ理論で私が聞いたことがあるのが、痴漢がよく発生する道での張り紙。
「皆さんのご協力のおかげで痴漢を逮捕することが出来ました」
こう書くことで痴漢を行う犯人は「この道では痴漢をしたら捕まってしまう」という心理になる。
馬鹿正直に「痴漢に注意してください」という張り紙は「この道では痴漢が横行しており、犯人が捕まらない状況が続いている」という証明になってしまうのだ。
実際に「皆さんのおかげで~」の張り紙に変えた途端痴漢の件数が激減したそうだ。
常に見る者の気持ちになって広告することが何事においても重要である。