食パンてなんやねん
かつて松坂家の朝食といえば食パンが定番だった。食パンにマーガリンを塗り、横には目玉焼き、コーンポタージュと共に毎朝美味しくいただいていた。
おかげですくすく育ちました。
しかし当時から「食パン」という単語が気に食わなかった。
「食パン」の「食」てなんやねん、と。
全部のパン🍞🥐🥖🥪が食べられるのになんでお前だけ食を語っとんねん、と。
例えば中にカレーが入っているからカレーパン、中に餡子が入っているからあんパンなど、それらは自らの特徴を端的に表している素晴らしいパンである。
ただし食パンは違う。
全員に当てはまることを何故かこれ見よがしにアピールしている。
オレが「食」だ!「食」といえばオレだ!
と言わんばかりのその傲慢さにはある種の畏怖すら覚える。
その横柄な態度はおそらく他のパン達も不満に思っているに違いない。
衣食住に分けて考えるなら
普通の服なのに「着る服」だとか、普通の家なのに「住む家」とか言ってるようなものだろうか。絶対不要である。
しかしこの長年の謎は今回意外な形で真相が明らかになった。
今日の番組の自分のコーナー「松坂滉 デキる男への道〜デキ男dism」では「略語」を紹介したのだが、色んな略語を調べている最中で
食パンは「主食用パン」の略であることが判明した。
(美術のデッサンで絵を消す用に使っていた消しパンとの区別の為との説もある)
なるほど。君は生まれた時から主役の座が約束されたエリートなパンやったんやね。
むしろ大事な「主」の部分が略されてしまっていて不憫やね。
数あるパンの中でも主食用のパンは間違いなく食パン一択である。
これからは気兼ねなく食パンのことを食パンと呼ぶと決めたある冬の日の出来事であった…。