1/21 基本例文 読むのではなく伝える
今日もレッスンの日。
今回の授業は「基本例文」といい、与えられた教材の文章を一人一人読んでいく。
文章はニュース原稿くらいの長さで、1枚3文ずつに分かれている。
非常にシンプルな内容だが、突き詰めていくと非常に時間のかかる授業であり、生徒は10人程度いたが結局予定の2時間を10分弱オーバーした。
私も含め多くの生徒が指摘されたのが「原稿を読むな」ということ。
もちろん原稿は読むのだが、ただ淡々と読んでいては聞いている人に何も伝わらない。
授業だからと形式ばって、「ちゃんと読もう」とすると、逆に必要以上に力が入り、「読んでいる感」が出てしまう生徒も多かった。
このことを先生は「原稿に喰らい付いている」と表現していた。
大事なのは如何に内容を伝えるか。
読むのは伝える為の手段であり、それ自体が目的ではない。
また、今回取り扱った文章はニュースというよりもトピックスの色が強く、明るい話題であった。
もし声色を渋くしてしまうと重厚感が出て、硬い印象を与えてしまう。
あくまで原稿を読んでいるわけだからあまりにも節をつけたり、変なところで区切ったりしてしまうのもいけない。
普段喋っているような感じで。
普通に読んで。
と何度も先生は仰っていた。
話し口調で読むということもしていた。
読みながら如何に自分の頭の中で実際の映像としてイメージできるか。
そしてそれを声に出す際にニュアンスを乗せることができるか。
読んでいる者が内容を理解していないと、聞き手に内容が伝わるはずがない。
むしろ内容を理解していないことは聞き手にバレてしまう。
頭に入ってこずスーッと右から左へ流れていく文章と、耳に残り反芻できる文章の違いは読み手のイメージにあるのだ。
日本語というのは突き詰めていけば限界はなく、読むという一見簡単に思える行為も非常に奥が深い。
先生ほどの大ベテランでも未だに毎朝新聞を声に出して読む練習を怠らないという。
私みたいな見習いが胡座をかいている暇はないということだ。
読むのではなく伝える。
肝に銘じてわい、がんばりまんでぇええいい!