NBA現役最強TOP7 ④ステフィン・カリー
『時代の革命児』
ステフィン・カリー
ポジション:ポイントガード
【主な受賞歴】
3×NBAチャンピオン:2015, 2017, 2018
MVP : 2015, 2016
得点王 : 2016
フリースロー成功率1位 : 2011, 2015, 2016, 2018
NBAスリーポイント・シュートコンテスト優勝 : 2015
と、ここまで見ただけで偉大すぎる功績を残していることがわかる。
しかしこれだけに飽き足らず彼はNBAの歴史をいくつも塗り替えているのだ。
彼の所属するゴールデンステイト・ウォリアーズはカリーを中心としたスリーポイント主軸のバスケットスタイルを完全に確立させた。
それまでリーグではスリーポイントでもレイアップでもない中間地点でのシュート、「ミドルシュート」の数が多かった。
ゴールデンステイト・ウォリアーズはより効率的なバスケを求め、
・一本の価値が大きいスリーポイント
・確実に点を決められるレイアップ
この2種類のシュートを極端に撃つバスケットを展開した。
その結果ウォリアーズは2015年から2019年までの5年間で全てファイナル(決勝戦)に進出。そのうち5回優勝。
また2015-2016シーズンには、神様マイケル・ジョーダン擁するシカゴ・ブルズのシーズン72勝を上回るシーズン73勝という信じがたい勝率を残した。(82試合中73勝!!!)
まさしく最強のチーム、黄金期を作り上げたのだ。
結果的にウォリアーズの提唱したスリーポイント主軸のバスケットはNBAの常識を変え、今のNBAではそのスタイルが流行になっている。
これはNBAで最もシュートを打たれている場所TOP200の2001-2002シーズンと今季の比較図である。綺麗さっぱりミドルシュートは消え去ってしまった。
今のNBAの基準こそがウォリアーズであり、ひいてはステフィン・カリーなのだ。
【プレイスタイル】
彼の最大の武器は3ポイントシュート。
正確無比なスリーをクイックなモーションで撃つ。
ただスリーが上手いだけの選手なら今までもたくさんいた。彼らは他の選手からのアシストや、スクリーンといって味方が壁を作って自分が空いたタイミングでパスを要求し、キャッチからシュートを放つ。
それがNBAのシューターの常識だった。
しかしカリーは自分でシュートチャンスを作り上げる。
彼のハンドリングスキル(ドリブルの上手さ)でひとたびディフェンスの隙を作ったなら、素早いモーションで多少チェックされようとお構いなしにスリーを放つ。
まさに移動砲台である。
この新しいスタイルで彼はNBAのシーズン3ポイント成功数の記録を何度も更新した。
現在の記録が402本。200本成功させればエリートシューターと言われる世界で段違いのセンスを見せている。
間違い無く歴代最高シューターなのだ。
【ハーフコートショット】
ステフィン・カリーはスリーポイントラインを忘れた。
彼にとってスリーポイントラインとはあくまで基準にしか過ぎない。決してその線の直前で撃つ必要はないのだ。
彼のシュートレンジ(シュートを撃てる範囲)
は無限。
ハーフコートラインからでも悠々とスリーを狙ってくる。時にはそれよりさらに後ろからでも。
あまりバスケットを観たことがない人でも、ブザーと同時にハーフコート辺りから片手投げで適当に放ったボールが偶然リングに入るシーンは見たことがあるかもしれない。
カリーはそれを偶然ではなく狙ってやってのける。こんなもの守れるはずがない。
【2019-2020シーズン】
誰もが認める現役最強のポイントガードのカリーだが、昨年10月の試合中に左手を骨折してしまった。今季の復帰は絶望的である。
他の主要チームメイトの怪我もあり、去年度までレギュラーシーズンは首位独走状態だったウォリアーズは1/15現在、西の最下位となっている。
このままウォリアーズの時代は終わってしまうのだろうか。
それでもカリーならまた一花咲かせてくれる。
そう思わせてくれるスーパースター、ステフィン・カリーの復活を心から期待する。