入社した会社の研修がヤバかった件 2日目
7時に起床し朝食を済ませた後、集合したのは野外グラウンド。
人事によるとなにやら特別な講師が来ているとのことであった。
ザッザッザッザッ
小気味良い足音のリズムを刻みながら現れたのはなんと迷彩服に身を包んだ自衛隊教官達であった!!
「これから諸君らには教官の指示通り、訓練を行ってもらう!わかったか?」
「はっはい」
「声が小さぁあい!!」
「はい!!!」
そこから自衛隊直伝の匍匐前進を指導された。
匍匐前進には3種類あるらしく、それぞれを切り替えて100m程度進むレースが開催された。
班員全員がゴールしたチームの勝ちなので、皆一斉にゴールへと向かう。
班長の私は班員を無視して我先にとゴールし、後は班員を応援し続けた。
厳しいのが男女全く同じメニューをこなしているということ。
体育会出身の私は正直全くしんどく無かったが、文化系というかほとんど運動をしてこなかった者もそれなりにおり、かなり差が開くこととなった。
結局私達の班は圧倒的に遅く、完全なビリであった。
先にゴールした他の班達も、全員私の班の最後の女の子を叫んで応援するというすごい体育会のノリになっていた。
女の子がゴールし、歓声があがる。
一同感動の瞬間であった。
しかし、流石は鬼教官。
班長だった私はこっぴどく叱られた。
「もしここが戦場ならお前は傷ついた仲間を置いていくのか? 教官は悲しい。」
ここで私は初日に習った研修のルールを思い出した。
「落伍者を出さない」
くっこういうことか…。
私は一人よがりになっていた。
班長として班員の命を預かっている身…二度と仲間の命を危険には晒さねぇ!!
匍匐前進なんて会社入ってからいつ使うねんなどと興醒めなことは皆言わないまま時は過ぎる。
そこからは昨日何度もやった社訓の斉唱。
教官の号令(前へ〜進め!など)に従って動く団体行動などをして1日を終えた。
最下位だったが班の絆は深まり満足感を覚え始めた2日目。
皆が眠りにつく頃思う事は一つであった。
教官の一人称「教官」なんや…。
次回、最終日は驚きの幕開けとなる!
続くゾッ!