チーズをかけりゃうまくいく

チーズ。

その存在は世界に平和をもたらす。

 

チーズの包容力は異常でとりあえずかければ何事も解決してしまうのだ。

そこらへんで買ってきた野菜とか肉を適当に焼き、適当にチーズをかけるだけでお店が開けるんじゃないかとすら思っている。

全てを包み込むビックマザー、言うなればマザーテレサなのだ。

 

 

 

 

好きな食べ物ランキングの常連といえばカレーやハンバーグ。

どちらも適当にチーズを乗せるだけで一気にマイルドさが増す。

冷え切った夫婦関係、国会での不毛な言い争い、交わることのない反比例のグラフ…きっと全てチーズをかければうまくいく。

 

 

 

またチーズには画ヂカラがある。

チーズに熱が加わり、ただとろけている。

たったそれだけのことで言いようもない幸福感に満たされる。

 

 

 

ただチーズには魔性の一面も存在する。

チーズがあるという事実が幸福すぎてチーズがない状態を楽しむことが出来ないのだ。

 

 

例えば晩ご飯にカレーを食べるとする。

カレーはもっぱら一杯だけじゃ物足りないため、最初から二杯目以降のことを視野に入れて一口目を口にする。

一杯目はチーズのかかっていないスタンダードなカレーを食べ、二杯目にチーズ入りを食べる算段だ。

 

しかし実は一杯目からチーズをかけたいと思いながら嫌々チーズ無しカレーを食べる羽目になってしまう。

別にスタンダードカレーが嫌なわけでも不味いわけでもない。

ただチーズが恋しすぎてスタンダードカレーがただの作業になってしまうのだ。

早くやっつけてチーズを入れたいという思い一心で機械的に口に放り込む。

そこには味わおうという感情はなく、胃に入れて消化していくだけの業務と化している。

 

だからといって家で食べるカレーの一杯目からチーズをかけるのはそのものの良さを味わおうとしていないようで、なんとなく美学に反する。

 

チーズは母性と一緒にそれと同等レベルの魔性を孕んでいるのだ。

こんなこと書いてたらチーズ食べたくなってきたので、今日も私はさけるチーズをめちゃくちゃ裂く。