一生のお願い
必死に練習して来た大一番の部活の試合で勝てなかった。
試験範囲を勘違いしていて徹夜で勉強したところが一切テストに出なかった。
仕事でとんでもないミスを犯し、上司にこっぴどく叱られた。
たとえどんな失敗を重ねたとしても私は諦めることはない。
なぜなら私はまだ「一生のお願い」を使ったことがないからだ。
「一生のお願い」とは命を賭してでも叶えたい願いがある時に発動する。
基本的に人に頼むのが苦手な私はこれを未使用のまま、24年を生きてきた。
いつどんなタイミングでこの願いを使おうかと考えてみる。
一生のお願いを使うタイミングを誤っては取り返しがつかない。
一生に一度なのだから。
好きな物は後で食べる派の私は、一生のお願いを使うことに躊躇し続けて今まで生きてきた。
(ポテトサラダは前菜として名を馳せているため、この場合は例外となる)
もっとお願いしたいことが今後出来たら…と思うとあと一歩踏み込む勇気が出ない。
そもそも願いといってもドラゴンボールじゃあるまいし人知を超えた力で何でも思い通りに出来るわけじゃない。
あくまで人に頼める範囲のこと。
パッと思いつくのはお金に困った時にお金を貸してもらうことだが、あまりにも味気なさすぎる。
生きるか死ぬか本当に切羽詰まった状況なら使わざるを得ない。
例えば私が大怪我をして何か血液やら臓器やらを人から提供して貰わないといけない状況になった時とか。
んーあまりにもネガティヴ過ぎて想像したくもない。
やっぱりどうせならちょっとした贅沢を演出するようなポジティブな願いがいい。
となると一生に一度でいいからNBAを生で観戦したい。
それがNBAファイナルという最高の舞台ならなお良い。
更に欲を言うなら八村塁選手が出場する試合であって欲しい。
もしそうなら意外と近い未来のことになるかもしれない。
これまで何回も一生のお願いを使ってきた不届き者は去れぃ!